こんにちは♪今回のテーマは在宅介護を行うときに必要な技術についてです。どういうこと?という方もいると思うので、簡単に説明していきます。
自分本位にならない

自分本位の介護ってどんなの?
まず介護を行う上で気を付けなければならないのは「自分本位にならない」ということ。介護は介護をする相手がいること・介護を行う自分がいることで成り立ちます。そして介護する相手のほとんどが、体力が落ちてきている・筋力が落ちてきている・身体が思うように動かないような高齢の方々になります。もちろん予防で運動型のデイサービスに通っている方もいらっしゃいますが、今回はそういった方は除きます。
では、自分本位にならないというのはどういうことでしょうか。例えば歩くときを想像してみて下さい。30代の若い男性と90代の筋力・体力ともに低下している高齢者の方がいるとします。同じスピードで歩けますかね?最初は一緒に歩けていたとしても徐々に置いていかれてしまいそうじゃありませんか?小さい子どもならば親が先に行って追いかけてもらうなんてこともできますが、高齢者は転んだらかなりのリスクを負います。骨折したら寝たきりになる可能性もあります。車いす生活になる可能性もあります。治るまでにもかなりの時間がかかります。今よりも介護の状態がかなり上がることが予想されますね。
自分本位とはこの場合、若い30代のスピードで歩くということです。90代のスピードに合わせて歩くことで、自分本位にならず、リスクを減らした状態で歩くことができます。
歩行

よく若い人と一緒に歩いてる高齢者を見かけるけど、あれも技術が必要なのかな?

上でも簡単に説明しましたが、歩行は意外と注意が必要です。
普段ある程度のスピードで歩いている方は特になんですが、歩くスピードを落とすのが地味につらいんです。デートや親子で手をつないで歩くとき、ある程度歩行スピードをお互い暗黙の了解で合わせていますよね。介護でもそれが必要になるんですが、歩幅が狭い方やものすごくゆっくりにしか歩けない方もいます。そのスピードに自分が合わせることがとても大切です。そうしないと、先ほど書いたように転倒に繋がり、介護状態がさらに重くなる可能性があります。
手を引っ張って歩く介助もたまに見かけますが、見ていてそわそわしてしまいます。介助者の(家族)の自分本位の歩行になってしまっているからです。介護を受けている側(ご両親)の足がもつれそうでも気にせず引っ張っている方もいますが、かなり危険な行為なので、注意してくださいね。
一緒に歩くのであれば、腕を支えて歩幅を合わせて歩きます。必ず介護を受けている側(ご両親)の歩行状態を確認しながら行うことが必要ですよ。手をつないで歩くのもいいですが、少しでもふらついたときに、自分の身体をご両親の前に持っていけるような位置で介助してくださいね。
まだ介助はいらないけどふらつきがたまにあるという方には、ふらつく側の少し後ろを一緒に歩くと良いですよ。ふらつき・つまづきなどが起きた際にすぐ自身の身体を前に出せるようにしておくのがポイントです♪
食事

おいしく食べる以外にも色々と技術があるんだろうけど、ただ口に運んでいるだけにしか見えないけどな…。

食事の介助は全介助で行けば意外とすんなりいく方が多いです。もちろん口を開けたがらない方もいますので、そういった方はかなりの時間がかかります。
一つ注意点があります。それは、家族の時間がないからと言ってできることを無視して全介助をしていると、自身で食事をすることができなくなってしまいます。なので、ある程度時間がかかってもできる行為は自身で行ってもらうことが望ましいです。
全介助での食事は早いですが、結果介護状態が重くなってしまうこともありうるので、注意してくださいね。
食事をする際、当たり前ですが歯を使ってかみ砕いていきます。しかし、高齢になると健康な歯が少なくなり、入れ歯になる方もかなりいます。総入れ歯にしてしまう方もいらっしゃるほどです。そんな方に注意です。入れ歯を入れずに食事をさせてしまうことがたまにあります。食べている時にずっともぐもぐしてるなと思ったら疑ってみて下さい。歯茎でかみ砕く方もいますが、そうやっていると、今度は入れ歯が合わなくなってしまうので、余計な費用が掛かってきてしまいます。
なによりかみ砕けないで飲みこんで、のどに詰まらせてしまうこともあるので、注意してくださいね。
食事の形態にも注意が必要です。日々介護をしていると中々小さな変化に気づかないことがあります。常食(一般人が食べる食事形態)でむせこみが多いときなどは刻んでみるとか変える必要がありますので、小さな変化にも気を配ってあげて下さい。
入浴

よく冬場になるとニュースでも取り上げられるよね。ヒートショック。

入浴はかなり危険が多い場所の一つです。それはヒートショック・転倒が多いから。特に冬場、ヒートショックは起こりやすいです。気温の変化に注意してください。そして転倒。これもかなり多い事故になります。なぜかというと床が濡れていて滑るからです。若い方であれば踏ん張ったり手がすぐに出たりと予防ができたりしますが、高齢者にはそれができない方が多いです。だからすのこを引いたり滑らないマットを引いたりと色々と工夫をされています。
湯船の中でも足が滑って立ち上がれないということは良くあります。足に力が入らないんですね。なので、湯船の中にシャワーチェアを入れていたりしているところもあります。そうすることで立ち上がりが劇的に楽になります♪
お互いの身体が濡れていて滑るということも当たり前ではあるのですが、見落としやすい点です。家族側もいつも通りの介助ではなく、一つ一つの行動にリスクがあるということを肝に銘じて介助してあげて下さい。ご両親の転倒を防げても家族側が転倒してしまっては意味ないですからね…。
陰部の洗浄ですが、ここをおろそかにするとばい菌が入って後で入院することになってしまったりします。オムツは特に夏場は蒸れるので、しっかり洗ってあげて下さい。かきむしりから血が出てしまうこともありますからね。ちなみにどの時期でもオムツ・リハビリパンツ・パット類は蒸れます。なので恥ずかしがらずにしっかり洗うことがとても大切です。
トイレ

こうい介助に時間がかかるんだけど少しでも短縮する方法ってあるのかな?

現在の一般家庭にあるトイレはほぼ洋式トイレだと思います。トイレではズボンを脱ぐ・パンツ(リハビリパンツ)を脱ぐなどの行為をし、排せつをします。ここで私が良く使うリハビリパンツの交換方法をお伝えしますね。
今履いているリハビリパンツはサイドからビリビリと手で切って取ります。次にズボンを下まで降ろし、右足だけ脱ぎます。次に新しいリハビリパンツを履かせていきます。この時の方法は、今右足が脱げていて左足はズボンをはいている状態です。リハビリパンツの左足を通すところに下から上に家族の腕を通します。その状態で脱げているズボンのすそと左側の足をまとめて通します。するとリハビリパンツは左足が通った状態で上にあげることが可能になります。あとは脱いでいる右足を履かせて立ってもらい、リハビリパンツ・ズボンをあげるだけです。
文章で書くと難しく見えますが、実際にやるとそこまで難しくもないので、ぜひやってみて下さい。両足脱がせて履かせるより早くできますよ♪
立位をとるのが難しい方はすでに手すりを付けられていると思います。手すりをうまく使ってもらって、リハビリパンツやズボンをしっかり上げるようにしてください。
この時にシャツなどの下着をパンツの中に入れないようにしてください。入れたままにしてしまうと、下着を通して排せつ物が上に登ってきてしまいます。着替えなど全部取り換えることになりかねないので、注意してくださいね。
就寝

夜寝れないのはつらいよね…。お互いに…。

在宅介護で一番つらい部分かもしれません。家族が同居していればですが、仕事から帰ってきて疲れているのに夜中々寝てくれない…。明日早いのに…。なんてことあると思います。正直ここに関しては技術も何もありません。話を聴いてあげて下さい。不安がっているのかもしれないので、「どうしたの?」と聞いてみて下さい。トイレに行きたいとか、少し飲み物が飲みたいとかで終わるかもしれませんよ。
注意するのは家族の機嫌です。「疲れていて寝たい」という気持ちはわかります。ですが、最初からイライラして接しないようにしてあげて下さい。最初からイライラした状態で接していると長引くことがほとんどです。大変だとは思いますが、できるだけ優しく接してあげて下さいね。
どうしてもイライラしてしまうのは人間なので仕方ないと思います。何回も続けば「もう!寝てよ!」と言いたくなる気持ちもわかります。でも最初は自分で抑えることができるはずです。
まとめ
在宅介護で必要になる介護技術について書かせていただきました。この通りに行ってほしいと言うものではなく、注意をするところはしっかり確認して、家族中心の介護にならないように気を付けて下さい。介護を行う上で大切なのは介護を受ける側の気持ちです。家族の気持ちも大切ではあります。
なので、うまく擦り合わせて少しでもストレスの少ない介護を行ってくださいね。
最期に宣伝です♪

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このセミナーは予約制ですので、ご連絡はHPのお問合せか各SNSよりご連絡ください。