在宅介護を始める前に確認しておきたい5つのこと

在宅介護

介護を始めるにあたって、何も準備なしで始めると手さぐりになってしまうことがあります。今の介護サービスは利用者本人が選べるものになっています。病気の具合や怪我の状態などで受けられるサービスも異なりますが、利用されるご本人に合わせてサービスを受けないと、長く続けることが難しいですし、どんどん孤立してしまう可能性も出てきてしまいます。さらには家族間での意見の違いが出てきてしまうこともあります。

そうならないように、ある程度元気なうちから、色々と介護の事についても家族間で話し合えると良いですね。

今回は普段からこんなことを話しておくと、実際に介護を受ける際に楽になるという事を5つお話しします。

近くに住んでいる場合でも、遠くに住んでいる場合でも、会えたときに意識して下記の話をしてみてください。遠くに住んでいる場合は、以前会ったときに比べて出来なくなったことがないか、健康状態はどうかなども確認するクセをつけておくと、変化に気づけると思います。

お金・通帳の置き場所・管理について

お金の事ってなかなか聞きずらいよね。聞いておくことでプラスに働くことがあるなら聞いておこうかな。

まず、介護のサービスを受けるにはお金がかかります。なので現在どれくらい貯金があるのか・今後年金など、どこからどれくらいお金が入る予定なのか等をざっくりとでいいので、確認しておくと実際に使う時に慌てなくて済みます。

具体的に挙げると以下になります。

・銀行口座はどこの銀行を使っているのか

・銀行口座は複数あるのか

・現金以外の預金(仮想通貨・株など)はあるのか

・定期的にひかれる額はどれくらいなのか(光熱費やサブスクなど)

・現在の資産額はどれくらいなのか

・通帳と印鑑は揃っているか

ここで知り得た情報は絶対に悪用してはなりません。家族といえど裏切る行為はしないようにしましょう。

そしてよくタンス貯金と呼ばれるものをご存じでしょうか。これは金庫や通常お金をしまっている所とは違う所に入れておくへそくりみたいなものです。黙って使うことは許されませんが、どれだけあるのかや場所などは確認しておいた方が良いかもしれません。

以前働いていた特養では、お金の所でコミュニケションがとれていなかったことで、家族間で問題になったいた方もいらっしゃいました。認知症のような病気や物忘れが出てくる前には、一度しっかり確認しておくと後々、安心することができますよ。

基本的に、老後のお金、介護サービスや施設入居の為に使うお金は、利用者ご本人のお金を使うことを前提に考えておくと良いです。在宅介護は、平均して5年くらい介護期間がかかると言われています。親のお金の状況がなんとなくわかっていれば、どれくらい介護費用がかかるかか予想することもできます。

在宅介護しながら介護サービス(訪問介護・デイサービス・ショートステイ等)は使うかどうか

介護サービスってたくさんあるし、どんなものなのかわからない…。

それにうちに合うサービスってどれがいいんだろう?

在宅介護を選ぶ場合、よく使われるのは・訪問介護・デイサービス・ショートステイになります。以下にざっくりと特徴を書きますね。

訪問介護

訪問介護はヘルパーと呼ばれる訪問介護職員が、自宅に来て決められたサービスを提供してくれます。排泄介助・おむつ交換・食事介助・入浴介助など多岐にわたります。排泄介助に加えて食事介助という合わせることも可能です。人によっては、1日に複数回利用する方もいらっしゃいます。

よく勘違いをされてしまうこともあるのですが、できる事と出来ないことが訪問介護では決められています。

例)利用者さん以外の洗濯物・利用者さん以外の調理・換気扇の掃除・庭の掃除・ペットの世話等はできません。

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デイサービス

デイサービスには半日型と一日型のものがあります。

・半日型は運動がメインで食事や入浴はありません。その名の通り半日で終わるので、時間は有効に使えますね。入浴に特化した半日型のサービスもあったりします。

・一日型のデイサービスは、朝にお迎えが来て夕方変えるといった一般的に想像されるデイサービスです。ここでは入浴も食事もありますし、場所によってはリハビリができるところもあります。

こういった通所型のサービスを使う場合は、必ず見学をしてから利用するようにしてくださいね。見学せずに利用して合わないからすぐ辞めた。という風にならないようにしてください。

ショートステイ

ショートステイは短期間お泊りをすることができる場所になります。デイサービスと併設されていたりしているところも多いです。泊るのでその間ご家族は介護を休むことができます。休んでいる間にしっかり息抜きしてまた介護に取り組んでもらえればと思います。

これら以外にも在宅で使えるサービスはたくさんあります。そしてサービスを使う・使わないは利用者本人の意思で選ぶことができますので、ご家族の仕事の状況なども考えて話しておくと、良いかと思います。

使うメリットとしては、やはり専門職の職員に見てもらえる安心感だと思います。家族だけだと不安な気持ちが出たときに頼れる人があまりにも少ないのです。なので、そんな時に頼れる人にお願いをすることができる安心感・介護に疲れてしまったときに頼れる施設などを使える状況にしておくと、何かあったときに安心できます。

デメリットはほぼありません。もしあるとすれば、料金が少し高くついてしまう所でしょうか。毎日介護サービスを使っていれば、その分料金はかかります。しかし、介護度によって使える範囲が決められており、要支援1~要介護5までの区分で分かれるのですが、その区分によって使える単位というものが決められています。なので、上手く使えば、そこまでお金がかかることもなくサービスを利用できます。

将来的に施設入所をどう考えているか

入所施設にはいくつか種類があります。その中で皆さんがよく聞くのは、特別養護老人ホーム(通称:特養)だと思います。それ以外にもグループホーム・有料老人ホームなど色々な施設があり、どこに入れるのかどうやったら入れるのか等色んな疑問がありますよね。

まず、入所について最初に決めるのは、施設に入所をする予定はあるのかどうかです。

在宅介護でずっとやっていくこともありですし、最後まで面倒を見たいという気持ちもわかります。しかし、介護する側もされる側も必ず歳を重ねていきます。ずっとデイサービスや訪問介護を利用している方もいらっしゃいますが、介護する側にとっては歳を重ねるごとに介護を始めたときに比べると、負担はかかりやすくなります

そんな時に夜一人で対応が難しいことが連続で起きてしまった…。不安になりますよね。この先ちゃんと介護できるのかな?大丈夫かな?となると思います。

今まで在宅で頑張ってきたけど、これからは施設に入れてみてもらおう!よし!申し込みだ!

えっ?入所するまで時間がかかる?何か月も待つこともあるの!?どうしよう…。そんなに待てないよ…。

こんな風にならないようにまず、施設入所する意思があるかどうかを確認しておくと良いです。意思の確認ができていれば、介護する側はそれに合わせて動いていくことができます。逆にわからない状態のままですと、急に入所となった場合、ご本人に入所への拒否感が強く出ることもあります。(この拒否に関しては、事前に入所の意思確認をしていても出ることがあります)

下に入所する意思がある場合・確認しない場合でざっくりと書きました。見てみて下さい。

入所する意思がある場合

最終的には入所するという所がわかっているので、自分たちで無理なく介護を進めることができ、あまり焦らず入所に向けての準備も可能となります。介護サービスを利用しているとそこの職員さん達とも担当者会議などで「最近○○が難しくなってきた。」等のコミュニケーションがとれます。そういった話の中で担当のケアマネージャーさんとも入所の話を進めていくと、やりやすいのかなと思います。わかっているだけで未来の負担がかなり変わってきます。

入所の意思を確認しない場合

入所の意思を確認せずに介護を続けていると、最初は何とか乗り切れるのですが後々、辛くなってくる時があります。理由は、お互いに歳を重ねるからです。介護はいつ終わるのかはサービスを受けている本人にもわかりません。もしかしたら色々な理由から、介護する側よりも長生きするかもしれません。看護師や医者だってそろそろ…と思っていても、かなり回復される方もいらっしゃいます。誰にもわからないのです。

できるだけ自分たちで面倒を見たいという気持ち、わかります。ご両親や祖父母であればそういった気持ちがあって、普通です。

しかし、現実には介護サービスを使っていたとしても、使っていない時間に多くの問題が出てくることがほとんどで、それを対処するのは介護しているご家族です。入所の意思確認をしていないと中々入所させるという行動に踏ん切りがつきにくくなります。それでご家族が仕事を休職する・辞めてしまう・アルバイトやパートになるなど金銭面でも苦労することが出てくる可能性があります。

こうなっては生活がどんどん辛くなってしまうので、担当のケアマネージャーさんからもし、「そろそろ入所とか考えても良いかもしれないですね」みたいな助言を頂けたら、乗ってよいと思います。介護をしている方が、「もう無理!」となる前に決断されるのが良いです。

医療関係の確認

病院関係の確認は必須だよね。どんな病気・怪我でどこに通っているのかとか、知っておくと何かあった際にすぐ行動できるからね。

まずは、どんな病気・怪我があるのか、どこに通っているのかを家族が知っておくこと・保険証やマイナンバーカード類がどこに保存されているのかを確認しておくことがとても大事です。緊急で何かあった際に、すぐに動くことができます。

しかし、確認をしておかないと何かあった際に「病院はどこ?」、「保険証類はどこにある?」となるパターンが多いです。救急搬送されるときも保険証やマイナンバーカードなどの保管場所を確認しておくことで、スムーズに病院に搬送することもできます。

実際に私は保険証がなくて中々搬送できないというご家族を見たことがあります。助かる命が助からなくなってしまうこともあるので、こういったところは必ず確認をされると良いでしょう。

それ以外にも主治医の確認や提携している病院の確認などもしておくと何かあった際にも、まずはそこに行けばいいという風になるので、ご家族も安心できるかと思います。

スマートフォン・ガラケーの暗証番号の確認

暗証番号がわからなくて開けないよ…。このスマホの中に大事な情報があるのに…まいったな。

現在はスマートフォンが普及しているので特にですが、暗証番号を確認しておく必要があります。

家族がロックを解除できる状態でないと、ご本人様が亡くなってしまった際、誰も解除できる人がいなくなってしまい、必要な情報が見れなくなってしまいます。

例えばですが、遺影の写真を撮る前に亡くなってしまったからスマホの中の写真を確認したい・メモなどには残さずスマホの中に大事な情報を残しているなど、大事な情報が残っている場合があります。

なので、一度はご家族の誰か一人にでもこっそりと、伝えておくと良いかもしれません。

最近のスマホは画質も良くなってきており、持ち歩きやすくもなっているので、カメラを持つより楽に写真が取れます。なので、高齢の方もスマホで写真を撮っている方が多いです。

それと必要に応じてですが、もし亡くなってしまった方がサブスクを利用されていた場合は、解除しないと永遠と料金を払い続けることになってしまいます。お金ももったいないですし、それ以上に解除に労力がかかる場合があるそうです。必ず確認をしておくと良いポイントです!

まとめ

いかがでしたか。今回は介護を行う前に一度確認した方が良いと思うポイント5つを紹介しました。もちろん全てを始める前にというわけではないですが、時間が経つにつれ徐々に物忘れが始まって、認知症が出て来て、動けなくなってしまって(又は動けるけどわからない行動が多くて他のことができない)…ということになりかねないので、事前準備としてご家族が知っておくと良いと思います。

介護は多くの時間がかかりますしお金もかかります。意気込みだけでは続けることはできません。関係者全員が協力することで行えるものです。

相談に乗ってほしい事や他には言えないことなどがもしあれば、コウスケの介護相談にお話しください。最後まで寄り添って対応させていただきます!