食事介助ってどんな声掛け・技術が必要なの?

食事

介護を受ける方であっても、食事は楽しみの一つです。皆さんは食事の楽しみってどんなことがあると思いますか?

彩(見た目)、味が一番多いんではないでしょうか。彩が良ければ食事の手も進むし、味も美味しければ、どんどん食べてしまいますよね。

そして何より誰かが作ってくれた料理って美味しく感じるんですよね~。

というわけで、今回は食事について書いていきたいと思います。

彩りよく盛る

好きなものばかり並べると茶色一色とかあるんだよね。これはこれで美味しいけど、彩良くするとなんかよいことってあるのかな?

歳を重ねると食事で、全部がほぼ同じ色だとちょっと食欲がわかない日があったりしませんか?私も若いころは大丈夫でも、40近くなると手が進まなくなることも多くなってきました。食欲って出された料理の彩次第で変わったりもするんですよ♪

私が若いころは唐揚げ・生姜焼きなど茶色系のものを好んで食べていました。(これは皆さんが通る道ですよね特に男性笑)

しかし今では日によってではありますが、こういったものが並んでいると「う~ん」という少し残念な気持ちになってしまい、あまり手が進まなくなることがあります。これも仕方ないことだと思います。決して料理が悪いとかではなく、油や色合いで身体が少し距離を置こうとしてしまうんですよね。

身体が歳を取ってきてるなぁと感じる瞬間です….。

しかし、野菜でトマト・レタス・きゅうり・パプリカなど彩良いものに加えてごはん・みそ汁・魚料理(刺身など)が並んでると、手が進むんですよね。

そして盛り方にも工夫をするとよりおいしく見せることもできます。それは「山盛りにする」という技です。ただ富士山みたいにドーンと盛るのではなく、食べる方の量に合わせて中央を山なりにするんです。そうすることで、さらに食事は進みます。この技術は飲食店では普通に行われています

彩が良いものを平らに盛り付けるのと少し山なりに盛り付けることの違いを感じてみて下さいね。

高齢者の方々にとって食事は楽しみの一つです。もしかしたら食事しか楽しみがないっていう方もいるかもしれません。そんな方に対して、楽しみを少しでも多く感じてもらいたい・そして美味しく全部食べてほしいという気持ちで介助ができればいいなと思って今回書かせていただきました。

最初はてこずるかもしれませんが、慣れれば時間はかかりません。誰でも簡単にできますよ♪

一口ごとに「これは○○だよ」と声掛けをする

言わなくても大丈夫でしょ。香りとかでわかるよ。

これは介護業界にいてもやる方・やらない方がいらっしゃいます。正直に言うと毎回はめんどくさいです。しかし、相手の気持ちになって考えてみるとやはり伝えることは大切だなと感じます。

常食(通常のごはん)の場合、見た目で肉か魚かわかるし、味もなんとなく想像はできますよね。飲み込む力が弱くなってしまった方は刻んだり、とろみをつけたり、ペーストにしたりと食べやすくする工夫が必要になってきます。

例えば、刻み食は、食材を刻んでしまうことで、なんの食材なのか味付けなのかが見た目ではわかりにくいことがあります。見た目も変わるし刻まれることで少し味も分散してしまうからでしょうか。

ここで刻んだ食事を何も伝えずに口に運んでいたら、相手は何を食べているのかわからないかもしれませんね。本人が好きなものだったとしても、それが伝わらず楽しみな食事の時間も残念になってしまいます。

では、一口ごとにこれは○○ですよと伝えたらどうでしょうか。刻まれていたとしても、今まで食べてきた料理の味は覚えていますし、ご自身の好きなものであれば、食べる前から嬉しくなったりしますよね。

伝えることで相手は何を食べているのかを想像することができ、食べながらその料理にまつわる昔話をしてくれるかもしれません。少しでも美味しく味わって食べて、さらにコミュニケーションもうまく取れるんです♪

なので私は必ず一口ごとにこれは○○ですよと伝えるようにしています。少しでも楽しく・美味しく食べていただきたいですからね♪

料理を全部混ぜない

混ぜたら楽なんだよね。時間短縮にもなるし。

せっかく彩良く盛ったとしても、食べる際に介助する側が全部をぐちゃぐちゃに混ぜてしまってはあまり意味はありません。何を食べているのかわからなくなってしまうからです。もったいないですよね。

ペースト食を食べている方であっても私は、全部を混ぜはしないようにしています。多少は仕方ないと思いますが、混ぜることで楽しい時間が苦痛になる方もいるということを覚えていてほしいです。

サラダ・メイン料理・ごはん・みそ汁・デザートのメニューがあったとします。これらのメニューを全部混ぜるのではなく、食べさせる順番を変えてみたり工夫をしてみて下さい。その人それぞれに食べる順番があります。メインから食べる方・サラダから食べる方などですね。

そうすることで食事を混ぜる必要はだいぶなくなります。さらに適宜水分も飲んでいただくことで、口の中で味が混ざってしまうことも防げます。混ぜなくなることで食が進む方もいらっしゃると思います。

工夫次第で味わって食べていただくことは可能ですよ♪

食べやすい大きさに切り分ける(本人の前ではさみを使わない)

ちょっと大きいなと感じたときに切り分けるときは、はさみで切ればいいんでしょ?

それくらいできるよ♪

食事を提供する際に少し大きいなと感じたこととかはありませんか?もう少し小さくしたら食べられるとき、手軽に切り分けられるのは調理はさみですね!しかしはさみを使うときに気を付けないといけないことが2つあります。

まず1つ目は、本人の前で切らない。

ご本人が自分の前で切らないと不穏になるなどの理由があれば仕方ないかもしれませんが、あまりご本人の前ではさみで刻むのは、よろしくありません。特に外食時などは注意してあげてください。

ご本人の気持ちを尊重してあげることが大切です。自宅内だとしても家族のいる前で自分の料理だけはさみで目の前で刻まれるというのは、あまり良いとは思えません。

外食時なら全くの他人が多くいるわけなので、なおさらです。こんな時は事前に刻んでもらう・刻んで提供するか、刻む器をもって机の下などであまり周りから見えないようにするなどの配慮が必要です。

韓国料理が好きな方は、調理はさみで食材を切るシーンを見たことがいらっしゃるかもしれませんが、日本ではあまり食卓の上で刃物を使う習慣はないので、気を付けてあげましょう。

2つ目は、はさみで刻むにしても必ず声掛けをして、確認をする。

こちらの判断で何も言われずにいきなり自分の料理を刻まれるって恐怖ですよね。例え自分が食べずらい大きさだったとしても、何か一言くらいは欲しいと思うものです。

周りに多くの人がいる場合は特にですが、周りからじろじろ見られてしまう可能性もあります。それは、その方のことを知らないからです。知っている人だけであればまだ良いかもしれませんが、知らない方が多い外食時などは、特に配慮してあげてくださいね。

まとめ

料理を少しでも美味しく・楽しく食べてほしいというのは、作り手に必ずあるものです。

誰でもできる簡単な工夫次第で、食事が楽しい時間になります。時間短縮ばかり考えるのではなく、介護をする相手のことも考えてあげると、食事の時間がお互いに良い時間になると思います。

慣れるまでは時間がかかってしまうかもしれませんが、すぐできるようになります!安心してください。少しでも介護される側にとって楽しい食事時間を提供してあげて下さい。

だからと言って、決して自分を犠牲にはしないようにしてくださいね。