認知症予防に効果がある事のはどんな事?

認知症

「認知症」ほとんどの方はことの言葉を聞いたことあると思います。昔は「痴ほう症」と呼ばれていましたが、現在は認知症と呼ばれていますね。

介護の現場に入っている方は、ほぼ全員といってもいいくらい、認知症の方と関わっていると思います。職員さんたちはいつも工夫を凝らしてコミュニケーションをとられています。私も現場で働いている時は、頭をフル回転させてコミュニケーションをとっていました。

「できれば認知症になりたくない」

介護の職員さんだけでなく、自分の家族、友人など、認知症の方と関わったことがある方はそう思う方が多いのではないかと思います。今回は認知症の予防について一緒に考えていこうと思います。

認知症ってどんな病気なの?

認知症って単語は聞くけど、どんな病気なんだ?

まずは認知症のことを簡単に説明します。認知症は大きく分けて3つに分かれます。

1、アルツハイマー型認知症

認知症の60~70%の方がアルツハイマー型認知症と言われているくらい多いです。症状も初期・中期・末期と分かれており初期ではまだ認識できていたことも、末期では家族のことも認識できないということもあります。

2、脳血管性認知症

これは脳卒中など脳の血流障害によって起きる認知症です。これにも初期・中期・末期とあり段階的に症状が進み悪化していきます。転倒が多くなったり、ベッドから起き上がれなくなったりします。

3、レビー小体型認知症

こちらの認知症は幻視(誰もいないのにそこに人がいるように見えているなど)やパーキンソン症状が特徴的です。パーキンソン症状は、手足の震え、筋肉のこわばり、動作の遅れ、歩行障害などです。

認知症にはこういった種類があります。他にもありますが、今回は代表的な3つをお伝えしました。

認知症の予防にはどんなことをすればいいの?

よく言われているのは指先を動かすこと・適度な運動をすること・コミュニケーションをとること・生活習慣病の改善・脳トレなどになります。

指先の運動って具体的にどういうことをすればいいの?

指を動かす運動で簡単なものはあやとり・編み物・折り紙などになります。女性は編み物を経験されている方も多いんではないでしょうか。集中力が必要にはなりますが、スムーズにできなくても時間がかかってもよいので持続することが大切です。そして出来上がった時の達成感も最高ですよね!

あやとりも毛糸1本あればできるものです。指を何度も動かしたりやり直したりと頭も使いながら指先も動かせるので良い予防にもなります。しかしあやとりは一人では飽きてしまったり、難易度が高いと難しすぎてつまらなくなってしまう人もいるので、二人でやると楽しく継続できますよ♪

男性も比較的取り組みやすいものとしては、「塗り絵」でしょうか。塗り絵って子供向けの印象があるかもしれませんが、細かい大人向けのものも種類が豊富なんですよ。

チラシなどで、紙の箱を折ってくれる方が施設に一人はいるんじゃないかなと思います。あれはどこでも使えますし、チラシで作ってある場合は、ごみと一緒に捨てられて便利なんですよね。一つ作るだけだと運動になるかな?と思う方もいらっしゃると思いますが、一つでは足らなくなります!使いだすとこれ便利じゃん!ってわかるので何個も作ってしまうんです♪

適度な運動

適度な運動ってよく聞くけど具体的にみんな何してるの?

ネットに書いてあることをそのままやってみようかな?

私が皆さんにお話しする中でよく使う言葉があります。それは「人それぞれ」という言葉。同じ病気にかかっている方だとしても、現在の症状が違うこともあります。パーキンソンの症状一つとっても人によって違います。認知症も同じです。だから「人それぞれ」なんです。

運動に関してですが、若いころから運動(スポーツ・筋トレ・体力仕事など)を行っている方と、まったく運動してない方(体育の授業くらいで基本動かない方)とは、例え同じ年齢・同じ性別だとしても適度な運動量は変わってきます。

散歩で考えてきましょう。

散歩は誰もができる簡単な運動の一つですね。若いころから運動を定期的に行ってきた高齢の女性が、1時間平坦な道を散歩したとします。まったく運動をしてこなかった高齢の女性も同じ時間・同じルートを歩くとします。ここで質問です!1時間後に同じ場所にいるでしょうか?

答えは「同じ場所にはいない」です。

理由はたくさんあると思いますが、やはり言えるのは、心肺機能の差・筋力の差などになります。でも別に同じ速さで歩く必要も無いですし、速く歩こうと頑張らなくていいんです。

なぜかというと、適度な運動というのは、頑張らずに毎日できるものである必要があるからです。人それぞれ筋力などの身体機能の差はあります。自分は自分。人と比べない。これが大事です!

頑張りすぎてしまうと怪我をする恐れもありますし、何より続けようと思った運動が続かないのはものすごくもったいないです。なので、適度な運動に関しては、ご自身のペースで慌てずにできるものを選択しましょう。

もちろんできる方は、「これくらいが適切な運動というところからほんのちょっと頑張って継続できる運動量」を目指してみて下さい。これは上級者向けですので決して無理はしないようにしてくださいね!!

高齢者でも行えるスポーツは、グランドゴルフ・テニス・ランニング・ヨガ・ソフトバレーなど多くのものがあります。地元のコミュニティを探して仲間を作ったり、継続しながら楽しくできる運動を探してみて下さいね♪

コミュニケーションをとる

家族と話してるから大丈夫だよ。ちゃんとできてる!

コミュニケーションをとるって簡単そうで難しいんですよね。施設に入居したり、お子さんやご家族の近くに引っ越したり、と年齢を重ねてから引っ越しをする方もいらっしゃいます。

今まで住んでいた場所から、引っ越して、新しい場所に来た時に、近所の方と挨拶はできてもご自身からワイワイと話すということは中々難しいと思います。もちろん得意な方もいらっしゃるでしょう。

慣れない土地・慣れない環境・慣れない人付き合いで話すのがご家族だけという方もいらっしゃいます。そういった方は家に引きこもってしまう可能性が高く、認知症の症状を引き起こしやすくなったり悪化させてしまう危険もあります

ではどうするか。できる範囲で、社会参加をしてみて下さい。ボランティアでもいいですし、自治会に入って友達を作るでもいいです。新たな気持ちで運動をしてみるのもありでしょう。最近は朗読会や合唱をするサークルもあったりするので、住んでいる地域で探してみてもいいと思います。

ご自身で何か行動を起こすと、周りが声をかけてくれます。助けてもくれます。これを機にデイサービスに通ってみるのもありかもしれません。デイなどに行けば、基本一人ということはほぼなく、楽しく職員や利用者さんとの会話を楽しむこともできますし、何よりそこでの友達ができます。

近所のお友達ができたら遊びに行くことだってできますし、沢山お話もできますよね♪社会参加を一つ行ってみることで大きな幹ができ、そこから時間をかけて枝が出てきます。その枝が多ければ多いほど、その方はいろんな選択肢があり、楽しめるということになります。

社会参加をすることで認知症予防になりさらにはご自身の楽しみも増えるとなれば、やってみてもいいかなと思えませんか♪?

生活習慣病の改善

生活習慣の改善か…。おやつとか食べ過ぎちゃいけないのわかってるけど、中々辞められないんだよなぁ…。

生活習慣病。これは若いころからの積み重ねでもあります。甘いものをとりすぎてしまった・おかしやジュースばかり食べていた・ジャンクフードが大好きでやめられないなど高齢になっても続いてしまうのが怖いですよね。実際に私の担当していた高齢者の方で、ピザが好きすぎて週に3日は食べていて、ここに野菜も乗っているからちゃんと野菜もとってるよと笑顔で話す方もいました。ちなみに飲み物はコーラでした。

昔聞いたことのあるポテトチップスはジャガイモだからちゃんと野菜とってるよと同じことかな?と思いましたね…。

その方は血圧高めで糖尿病という病気を持っていたので、「できるだけ減らしてくださいね。病気が悪化しちゃいますよ」と伝えていました。案の定悪化してしまったのですが、ご本人は「まぁ仕方ないね」と笑っていました。

生活習慣病の改善というのは、やろうと思ってすぐ変えられるものではありません。かなりの時間がかかります。なので、少しづつでよいので、砂糖を減らすとか、少し味が濃いものを薄くしてみるとかジュースの頻度を減らすなどできることはたくさんありますので、チャレンジしてみて下さい。

一人でできないという方は、ご家族やどなたかに宣言をしてみて下さい。「生活習慣の改善をするよ」と。きっと協力してくれると思いますよ♪

脳トレ

脳トレは楽しいけど、最近内容が同じだから飽きてきちゃうんだよなぁ

脳トレはたくさん種類があります。間違い探し・塗り絵・アハ体験・文字の並び替え・計算などとにかくたくさんあります。今回はその中でも私のおすすめの脳トレを紹介します!

私が昔施設勤務時代によくやっていたのは文字の並び替えです。メモ用紙でも何でもよいので大きめの紙に大きめの文字を一つづつ書いていきます。そして文字がつながらないように並べます。例えば「い・の・こ・り・ぼ」。答えは、こいのぼりですね♪この文字の並び替えは、並び替えた後にこいのぼりについて昔はどこに見に行ったとか家で飾ってたのかとかいろんな質問ができるのと、その時期のイベントごとをクイズにできるのでおすすめです♪ネタもなくなりずらいのが特徴です!

私の働いていた施設では特定技能制度を用いていて、外国人のスタッフさんが何人もいました。その方たちに言葉を覚えてもらう・日本にはこんなイベントがある・自然とコミュニケーションをとれるといった点でもよいと思ったので、勧めていました。

認知症状がある方でも、一緒に行えば不安になることも少ないですし、楽しく行えます。定期的に行っていたら利用者さんの方から「ねぇ。今日は言葉のあれ、やんないの?いつも楽しみにしてるからさ」と言っていただけたこともありました。最初は一対一でやっていたとしても周りも巻き込んでできるので、在宅でも施設でもおすすめのレクの一つです♪

そしてたまにですが、ご利用者さんの方から、これ、こういう言葉もあるんだよと教えてもらうこともありました。他の脳トレだとこういったコミュニケーションは中々できないので、言葉の並び替えはお勧めですよ♪

まとめ

認知症の予防ということでお話をしてきましたが、今回書かせていただいた内容は、認知症に限らず多くの病気・怪我を予防できる可能性があります。

そして何事も楽しく行うこと・自分のペースで行うことを心がけてください。ご家族の方はそれがしやすいような声掛けをしてあげてください。

今からやっても遅いというものは何一つありません。できる範囲で楽しく始めてみて下さいね♪最後に、けっして無理はしないようにしてください!

※今回書いた内容は、誰にでもできることではありますが、誰にでも効果が出るという確証はありません。ですが、やれることはやってみて損はないと思います。