在宅介護をする上での家族の不安とは

在宅介護

以前働いていたデイサービスに勤務している時、こんな話を聞きました。

「私が介護のサービス使うってなったから、今度息子家族がこっちに来てくれるの。嬉しいわ」というもの。これ、ご本人からすると住む場所は変わらないし、今までの生活に加えて安心できる息子さん家族が来てくれるという事で、ご本人の安心感はかなりあります。

しかし、引っ越しをしてくる息子さん家族はどうでしょうか。お孫さんも大きくすでに独り立ちしているので、特に学校問題などは無かったようですが、息子さんは働いています。この方の場合は個人事業主だったという事で、大丈夫だったようですが全員がそういうわけにはいきませんよね。

もちろんこれの逆もあって、介護尾サービスを使うことになって一人暮らしが不安だからという理由で、息子・娘家族の方へ引っ越すという事もあります。

この場合はサービスを使う本人にも不安や戸惑いなどが出ますし、もちろん呼んだ家族の方にも不安は出てきます。

ではどのような不安があるのか見てみましょう。

一人暮らしから大人数への環境変化

子育てを卒業してからは、お子さんと一緒に暮らしてないという方も多いですよね。お子さんが結婚されて自分たちからだいぶ離れた場所に住むようになり、自分たちはまた夫婦水入らずで過ごすという方もいれば、お子さんは結婚して離れた場所にいて、旦那さまや奥様に先立たれてしまったという方もいらっしゃると思います。

お子さんが来てくれる・お子さんの住んでいるところへ行くどちらにしても大きく変わるのは環境変化です。自分たちがお子さんの方へ行くのならば、土地勘がほぼないところへ行く・家の中ではお子さんの夫婦家族と一緒に暮らす・自分の友達はいないなどかなりご自身にとって、影響が出てきます。

お子さんが来てくれる場合は、自宅内での生活が賑やかになる・今まで自由にできていたことができなくなるなどです。

私が今まで聞いてきた中ではお子さんの方へ行くことが多いかなと感じます。理由としては仕事をしているので、引っ越しは厳しい・お孫さんの学校問題などです。

一人暮らしの時は自由で過ごしやすくても、家族と一緒に住むとなると、そうはいきません。どうしても気を使う場面は増えますし、食べたいものを食べたいときになんてこともできなくなっていきます。さらにはお子さんからの「○○しちゃだめだよ!」みたいなことも増えてくるでしょう。

こういうことが増えてくることでストレスが溜まり、口論になってしまうこともあります。

なので、まず家族のもとに行く・自分のもとに家族を呼ぶどちらでも構わないのですが、ご自身の環境変化・ご家族の環境変化がかなりあるということは理解していると、生活がしやすくなります。

在宅介護を考える前にこう言ったことも考えておくことで、ご家族への理解やどんな影響があるか等考えられるので、良いですよ♪

家族は「なんか変なことしてないかな?」と不安になる

正直これは誰でも考えてしまうことです。

例えば、ケガをしてベットで寝たきりのはずなのにたまにベットから一人で降りているなんてこと、あるんです。仕事前に「仕事行くからここにいてね。と言って返事をしっかりもらったにもかかわらず、帰ってきたら、転倒しているような状態でベッドのわきに倒れていたなんてこと…あります。

経験をする前はそんなことは全く考えないでいいんですが、一度でも経験をしてしまうと家族は、それが頭の隅に残り、考えてしまうんです。そしてそれが不安となっていきます。帰ってきて何事もなかったと安心するまでその不安は続きます

それ以外にも排便がコントロールができていなければ、いろいろなところについていたり、指についた状態で過ごしていたりすることもあり得ます。認知症などの病気を患わってしまうことでなお不安は増えていってしまいます。

夜間とかの介護って自分にできるかな…。

在宅介護の場合、日中はご家族は仕事・サービスを利用する側はデイサービスや訪問介護のサービスを使うことがほとんどです。しかし、夜間となると基本はご家族で対応することになります。もちろん夜間のサービスなどもありますが、今回の内容では触れません。

夜間、気を付けなければならないことは転倒です。暗闇の中でトイレに行きたいからと言ってベットから起きて歩こうとした際に何かにつまずいて転倒とか、ベットの高さが下がり切っておらずそのまま降りてしまい着地できず転倒など色々なリスクはあります。

それ以外であれば寝たきりの方であればオムツ交換体位変換などです。これらは時間で対応するのもいいですが、それをしてしまうと睡眠時間が削られてしまうので、ご家族としてはかなりの負担になってしまいます。

私が働いている時に聞いてた話では、夜間がかなり大変だから寝る前にトイレに行ってもらう・おむつの交換をしてあとは申し訳ないけど朝まで見ないという方もいらっしゃいました。

虐待と思う方もいらっしゃると思いますが、ここに関しては家庭の事情もあるので無理なく行ってもらうしかありません。介護は長く続くものなのでご家族にできる範囲で行うのが望ましいと思います。

まとめ

こういったリスクや不安は、初めての介護をされるご家族には必ずあります。それを全く考えずに介護を始めるのと、いろいろなシチュエーションを考えて相談をしてから始めるのとでは、不安になる頻度が違ってきます。

できるなら不安は少ないに越したことはありませんからね。

在宅介護は不安になることも多い反面、介護される側からすると落ち着いて生活ができるというメリットもあります。住む場所が変わると人は少なからずストレスと感じます。それが認知症の方であればなお強く感じたりもします。

だからこそできる限り多くのシチュエーションを考えてから、在宅介護を始められるとご家族にとってもサービスを受ける側にとっても良いと思います。

困ったらご相談、お待ちしております。