在宅介護を続ける上で必要な「介護休暇」・「介護休業」について

休暇・休業

ご両親・ご家族の介護を行うとき皆さんならどうしますか?

介護のためにお休みをもらうのか・現在の仕事を辞めるのか・パートやアルバイトに変えるのかなどいろんな選択肢が今はあります。だからこそ、安易に辞めるという選択肢を選んでほしくないのです。

今回は介護を行うから仕事はやめるという選択肢以外にも、休むという選択肢があるということについて書かせていただきます。

介護を始めるから仕事は辞めなきゃいけない?

両親の介護初めてするけど、今の仕事って辞めなきゃダメかな…?

介護を行うからといって、仕事をやめなければならないということはありません。

当時実際に介護を行うからと言って仕事を辞めた同僚がいました。その人は祖母の介護で仕事を辞めました。その人は昇進しており役職についている方でした。周りからも引き留められていたくらいです。

今の役職を捨ててまでいつ終わるかわからない介護に専念するってすごいなというのが、当時の私の感想でした。介護の現場にいても、自分が介護する側になったときに仕事を辞め介護をするしかないのかとも感じました。

しかし同僚が仕事を辞めて1年後に、介護をしていた祖母がご逝去されました。

ここから同僚は色々と事務手続きをしてひと段落したら、転職活動を始め、5つ目くらいで新しいところが決まったということでした。

本当に介護はいつ終わるかは誰にもわかりません。それに加えて、転職活動もみんながみんな早めに決まるとか限らないですよね。

だから仕事は辞める必要はないんです。もちろんいろいろな理由もあって辞めてしまう方はいらっしゃるかもしれませんが、介護を行うからという理由だけでは、辞めなくてはいけないということはありません。逆に辞めてしまうと、転職活動に時間がかかってしまい生活が厳しくなる可能性も出てきてしまいます。

介護が始まったときは、仕事を「辞める」という選択肢以外に、「介護休暇」・「介護休業」を使ったり、介護保険サービスを使うなど様々な選択肢があります。選択肢は一つではないので、複数を組み合わせたっていいんです。会社で働きながら介護保険サービスを入れて在宅介護をサポートしてもらうこともできますし、国の制度である介護休暇の取得を上司に相談して使うのもありです。

まずは制度を確認するところから始めてみませんか?

会社にもよるとは思いますが、きちんとしたところであれば介護休暇の申請ができると思います。上司への相談・確認から始めてみましょう。

介護休暇ってどんな制度なの?

最近聞くことがあるけど、どんな制度なんだろ?

コウスケさん、教えて?

介護休暇というのは国が推進している制度の一つです。

すでに日本は超高齢化社会と言われていますが、これから高齢者の人数は増加します。なぜなら団塊の世代の方々が高齢化しているためです。その時に介護をするからと言って、皆辞められたら会社側もたまったもんじゃありません。経営に大きく影響を及ぼします。だったら休暇を取ってまた戻ってきてくれた方が、働く側も安心できるし、会社側も新規採用にお金をかけなくてよくなるので、win-winなんですよね。実際、働きながら介護をするビジネスケアラーと呼ばれる方が増えてきているそうです。

では介護休暇ってどんな制度なのか表に表してみますね。

介護休暇の対象者・・・要介護状態にある家族を介護する必要がある労働者で、配偶者、子ども、親、配偶者の親、同居の祖父母、兄弟姉妹などが対象です。

取得条件・・・労働者は、要介護状態にある家族が1人いるごとに、年間5日間の介護休暇を取得可能です。介護する家族が2人以上いる場合、年間10日間の介護休暇を取得できます。また介護休暇は、半日単位または1日単位で取得することが可能です。

給与・・・介護休暇は無給である場合が一般的です。ただし、企業によっては有給の介護休暇を設定している場合もあります。

法的保護・・・労働基準法や介護休業法により、介護休暇を取得したことを理由に労働者に不利益な取り扱いをすることは禁止されています。

申請手続き・・・介護休暇を取得する際には、通常、事前に申請が必要です。申請方法や書類の提出方法は企業ごとに異なります。上司や事務方に確認をしましょう。

短期休暇・・・介護休暇は、1日単位で分割して取得できる短期休暇です。

こういった制度になります。

「年間5日?10日?少ないよ」と思われる方もいらっしゃると思いますが、例えばサービスの契約時に休んで、そのあと出勤するとか工夫をすることで、有効に使うことができます。

介護休業ってどんな制度なの?

休暇と休業って何が違うんだろ。コウスケさん、教えて?

介護休業とは、労働者が要介護状態にある方(2週間以上常時介護を必要とする状態の方)を介護するための休業になります。

休みを93日間まで取得できる制度で、連続して長期間介護が必要な場合に利用されます。

長いようであっという間の93日(3か月ちょっと)なので、この間にサービスの決定や将来のことなども話す時間を持てるようにできると良いと思います。

最後に

パートやアルバイトの方々でも条件によっては申請が可能です。会社の事務方の方々に確認してくださいね。

在宅介護で始めたての頃は、勢いで何とかなってしまうこともありますが、それも長くは続きません。自分自身が疲れてきてしまうからです。

なので、まずは相談と確認から行って、休暇の取得に合わせてどのように進めていくかなどの計画を練っておくことが必要になります。

介護休暇・介護休業の制度をうまく使って、在宅介護を少しでも楽にできるようにしてくださいね。

さいごに、今の仕事を辞める必要はないですからね。大事なことなので2回書かせてもらいました!