介護サービスを使う上で、ご家族に気を付けてほしいこと

家族

皆さんは介護サービスを使う際、どういったところに気を付けていますか?介護サービスには入所施設、デイサービスなどの通所施設、訪問介護などいろいろありますが、約束の時間を守るなど、目に見える部分のところはみなさん協力をしてくれています。これは訪問介護・デイサービスで実際に働いてきた私もとても感謝しています。しかし、他にも介護サービスを使う上で気を付けなければならない事って、ご存じですか?それはとても基本的なことなのですが、すごく大事なことだと思います。

事業者に協力をする事業者を信用する

この二つが介護サービスを使う上でご家族が最に気を付けてほしいことです。

事業者に協力をする

「協力する」という言葉が少しピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。介護サービス事業者はその方に合う方法を試行錯誤して、介護サービスの提供をしています。なぜかというと、一人ひとり症状が違うので、ベットから車いすへの移動や、車への乗りこみなど気を付けることが違うからです。

介護サービス契約前に、介護施設に見学に行ったときや契約をする際、いろいろとお話をしますよね。普段どういう動きをしているのか・好き嫌いにどういうものがあるのか・禁止とされている動きはあるのかなど、実際にサービスを利用する方のことをいろいろお話されると思います。

この時に「協力してほしい」のが正直にお話してほしいということです。事前情報と実際の症状が大きく違っていた場合、後々問題が起こることがあります。例えば日常的に杖が必要なのに、見栄を張って杖はいらないとか言ってしまうと、事業所内で転倒し怪我に繋がりますよね。正直に言ってもらえるだけでこういった事故を防ぐことができます。そんな人いないだろうって思うかもしれませんが、自分の「老い」を正直にさらけ出すって認めたくない部分もあったりして難しかったりします。ご本人が、家族にも知られたくないと困っていることを隠すこともあったりしますので、ご家族の感じる違和感だったり、情報を正直にお話してほしいなと思います。

男性には、シルバーカーを使った方が良いけど、見た目がおじいちゃんっぽくなるから使いたくないという方がたまにいらっしゃいます。使いたくないというご本人の意見を尊重されているご家族もいらっしゃいますが、なんでも尊重ばかりしているのは、よくありません。リスクがあること、意外と使ってる人も多いということ伝えてみて、実際に使ってみると、意外としっくりくる、なんてこともあるかもしれません。こういった場合、事業者側からも促すことはできますが、ご家族と協力してご本人への伝え方など考えていきたいと、介護する立場として思います。

このシルバーカーの件も正直に状態を伝えるという件も、事業者に協力をするというところに繋がります。この協力が、事故を未然に防げることに繋がります

情報をしっかり伝えることで、介護サービス時間内でその方に合ったサービスを提供できます。介護サービスにおいて、時間はとても大切で、遅れれば求めるサービス提供を受けれない、なんてこともあります。情報がしっかり伝わらないことで、万が一事故が起きた場合、いつ戻ってこれるかわかりません。入院したら歩けていたのに退院したら筋力が落ちて歩けなくなってしまったなんてこともあります。

そう考えると協力ってとても大切だと思いませんか?もちろん事業者は、ご家族にできる限り協力はします。それが事業者からの一方通行にならないように、ご家族も協力をしてお互いに良い関係性を作ってほしいと思います♪

事業者を信用する

協力すると似ていますが、「信用する」ということも大切です。

事業者はできるサービスの中からその方に合うやり方を常に試行錯誤しています。例えば一人でベットから車いすに移動したり、車に乗り込んだり、移乗が難しいから二人対応に変更することがあります。しかし、ご家族からは「え?プロなのに一人でできないの?私一人でやってるけど…」と言ってくる方も中にはいらっしゃいます。

私たちは何よりも命を大切にします。命を大切にするということは怪我をしないようにする・ご本人が少しでも痛くないように移乗(移動)するなどを心がけています。そして従業員の身体も大切にします。

なぜここで従業員の身体?と思った方もいるかもしれませんね。例えばデイサービスでは従業員が何人かいないとまず営業できません。そして介助を行う際はそれなりに人数が必要です。そして従業員は一番利用者さんと距離が近くたくさんのことを知っています。

そんな従業員一人が無理をして腰を痛めたらどうなりますか?仕事に戻れないかもしれないし、提供できる介護サービスの内容が変わってしまう可能性もあります。事業所にとっては従業員が働き続けられる環境作りも大切なんです。

従業員・利用者さん双方ができるだけ安全に移乗できるようにするためには…と考えた結果、二人介助という答えになったというのはご家族は伝わりにくいかもしれませんが、全ては少しでも安全にという考えが前提にあります。介護サービス提供者は日々考えてサービスを提供しているので、安心して信用して頂きたいとも思います。

相手を信用するというのは中々難しいものです。ですが、介護においては事業者・利用者・ご家族ともに信用しあって、よりよい介護サービスを提供し続けたいですよね。

私たちサービスを提供する側もご家族やご本人を信用して動いていますので、ご家族も事業者を信用してほしいと思います♪

もちろん合う合わないは当然ありますので、必要に応じて担当のケアマネージャーに相談してくださいね。